知ってるようで知らない目のせかい⑬ハードコンタクトレンズについて
知ってるようで知らない目のせかい⑬ハードコンタクトレンズについて
現代のHCLのほとんどは酸素透過性レンズですが、涙からも酸素をとれるので、レンズ自体の酸素透過性はさほど高くなくても大きな問題はないといえます。
HCLの適応
前記したとおり、HCLは変形がなく、角膜とレンズの間は涙で埋まるようになっているので、角膜乱視の強い人には最適のレンズになります。SCLにも乱視用がありますが、矯正できる乱視量には限りがあります。屈折矯正効果が高いので強度近視にも適しています。
また、円錐角膜などの角膜不正乱視は眼鏡やSCLでは矯正できず、HCLのみが矯正可能です。
HCLの利点
・安全性が高いHCLはSCLと比べると角膜感染症などの合併症が非常に少ないです。
その理由は、大量の酸素を目に届けることができるのと、角膜に傷がついているなどの異常があったときすぐに気づきやすいためです。一方、SCLは角膜障害に気づきにくく、重症化しやすいです。
・見え方がクリア
水分を含んでいないので乾燥しません。
そのため、乾燥による変形や曇りが起こりにくいので見え方がクリアです。
・ケアが楽
HCLもこすり洗いなどは必要ですが、SCLとは違って消毒の必要がないので、比較的ケアが楽といえます。
・経済的
HCLには基本的に決められた寿命がないので、丁寧に扱っていれば何年でも使用が可能です。
ケア用品もSCLより安く済むので、毎日使う人であれば使い捨てのSCLを使用するよりずっと経済的です。
HCLの欠点
・装用感HCLは硬く、角膜上で動き回るため、どうしても異物感があります。だんだんと慣れてくるものですが、どうしても満足に目を開けていられない、うまく瞬目ができないという人もいます。
・外れやすい
レンズのサイズが小さく、涙の上に浮いているため、強い衝撃があったりするとズレたり外れたりしてしまいます。そのため、激しいスポーツには向かないレンズです。
・ホコリが入りやすい
角膜にピタリとくっついているSCLと比べると、HCLは角膜との隙間があるのでホコリやゴミが入りやすく目に痛みを生じます。野外の活動にはあまり向かないといえます。