【和食に合うワインの選び方】ポイントは和食の「邪魔にならない」こと

【和食に合うワインの選び方】ポイントは和食の「邪魔にならない」こと
広尾 晃
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和食に合うワインの選び方:個性の強いワインはNG

濃厚なソースでいただくフランス料理、オリーブオイルの香りで引き立てるイタリア料理などと異なり、日本料理は素材の味をできるだけ残し、包丁の入れ方や、加熱の仕方などで、繊細な持ち味を引き立てようとします。

濃厚な香り、味わいのお酒は、和食の味わいを損なってしまいます。
実は、日本酒でもすべてが和食に合うとは限りません。本格的な懐石料理などでは、香りが強い大吟醸や、味がはっきりした純米酒などではなく、ぬるめに燗をした本醸造が一番合うという人も多いのです。一言でいえば「邪魔にならない」ことがポイントです。

ワインでも、主張が強くて和食の「邪魔になる」ようなものは適しません。
フルボディの赤ワインなどは、どんなに良いものでも、和食には向かないでしょう。味わいが濃厚すぎて、繊細な和食の持ち味を消してしまいます。干果実系など香りが強いワインも難しいのではないでしょうか。

では、どんなワインが和食に合うのでしょう?

懐石料理など、いろいろな食材を愉しむ場合は、ドイツワインはいかがでしょう。クラスでいえばQBA(クーベーア―)。中の上というクラス。少し辛口を選びましょう。飲み口が爽やかで、味わいが舌に残らないのが特徴です。ドイツワインは圧倒的に白が多いのですが、ロゼも合うようです。
刺身やたたきなどの魚料理には、やはりシャブリ。牡蠣との相性は有名ですが、あまり重たくないシャブリは魚の風味と喧嘩しません。

こうしてみてくると、赤ワインは和食には合わないように思われます。濃厚で、複雑な味わいと香りの赤ワインは、和食と喧嘩してしまうのです。

でも、料理によっては赤ワインがぴったり合うことも。
和食の名流の一つ、加賀料理には鴨肉を小麦粉をまぶしてじっくりと煮込んだ「治部煮」という逸品があります。鴨のうまみがぎゅっと濃縮された、濃厚な味わい。

この「治部煮」には、フルボディの赤ワインも良く合います。少し辛口がいいでしょう。
和食でも、濃厚な味付けの料理には、赤ワインは合うと考えればよいと思います。

ご自身の舌で、一つ一つ相性を確かめていくのも、グルメの楽しみの一つではないでしょうか。
広尾 晃
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